スタンパブルシート(KPシート)
スタンパブルシートであるKPシートは、ガラス繊維と熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを主原料とするシート状のプレス用成形基材です。
基材コア部は高度な抄紙技術を応用して製造されるため、極めて均一な組成となっています。さらに、特殊な発泡材を担持したグレードはより高い加熱膨張性能を有する軽量基材で、嵩高く成形加工することができ、吸音材としても使用できます。
また、多様な機能性フィルムを貼り合せる事もできるため、高膨張性と機能性フィルム種を組み合わせることで、幅広い周波数に対応した設計も可能です。
このため軽量高剛性を発揮するガラス繊維強化ポリプロピレン複合材料であるとともに、高吸音性をも発現する優れた特性を活かして天井やトランクトリム等の自動車内装材やアンダーカバーなどの自動車外装材に採用されています。
特徴
- (1)抄紙法プロセスにより、比重や形状が大きく異なる樹脂と繊維を均質に混合できるため、
複数の原材料の組み合わせが可能です。CNに配慮した再生ポリエステル繊維を配合したグレードもあります。 - (2)VOCが極めて少ない、かつSOCフリーの材料を使用しています。
- (3)20t程度の低型締力冷間プレスで、3m2以上のプレス成形が可能です。
- (4)また、成形品内で0.08 ~ 1.0 程度の変化を持たせた加工が1回で可能です。
- (5)成形収縮率は 1~2/1000 と小さく、かつ成形後は形状が安定しています。
- (6)型形状への追随性に優れています。
– 深絞り(実績250mm)が可能で、シャープな形状にも対応可能
– 加工部の加工後強度が高い
- (7)発泡材入りグレードでは、膨張厚みを8‒20mm程度の間で設計することが可能です。<膨張厚制御技術>
- (8)シート幅方向に一定パターンの目付け分布を再現性良く持たせることが可能です。<異目付技術>
- (9)厚くても2mmt程度のシートであるため、輸送・置場効率が良い材料です。<軽量コンパクト>

自動車部品適用例
