研究開発
ケミカル研究所では、石炭化学の分野を中心に社会に貢献することを目指す研究開発を行っています。4つの研究開発分野で、ITやエネルギー分野、環境関連分野を中心に新しい製品を開発しています。

沿革
- 2006年4月 ケミカル研究所設立
- 2009年9月 新研究棟竣工 (千葉市)
化成品開発センター
コールタールを蒸留して生産される、ナフタリンなど軽質の芳香族油、電気炉製鋼で使われる重質な人造黒鉛電極用ピッチなどの特性改善の研究開発を行っています。

詳細はこちら
コールタールピッチは多数の芳香族化合物の混合物です。
化成品開発センターでは、ピッチの化学構造の解析や物性の評価を通じて
製品の品質改善に取り組んでいます。
解析例
①ピッチの分子量分布と化学構造(LDI-MSによる分析)
②ピッチ物性の測定例(粘弾性測定)
電池材料開発センター
コールタールピッチを原料として、独自の改質技術を組み合わせ、リチウムイオン2次電池用の負極材の開発を行っています。


詳細はこちら
コールタールピッチは炭素材料の優れた原料です。
原料と熱改質条件等の組み合わせにより、結晶構造や形状を制御することができます。
電池材料開発センターでは、こうした性質を利用して、負極材の高性能化に取り組んでいます。
球晶黒鉛の例
①製造プロゼス


②結晶性パラメータと放電容量

精密化学品開発センター
コールタールに含まれる有用成分のうち、石炭系に特有なインデン、フルオレンといった5員環を含む化合物などから、電子材料、高機能樹脂などの原料の開発を行っています。

詳細はこちら
5員環構造を持つフルオレンから、様々な誘導体の開発に取り組んでいます。
また、フルオレン以外の化合物についても、
それらの特徴的な構造を生かす誘導体の開発を行っています。
フルオレンからの誘導体の例

磁性材開発センター
鉄鋼プロセスから得られる高品質の酸化鉄原料から、トランスやコイルの磁芯材料であるソフトフェライトや電波吸収体フェライト磁性粉などの新材料を開発しています。

詳細はこちら
酸化鉄に、遷移金属酸化物を混合・熱処理し結晶構造を変えると、
磁場変化に応じて磁化されやすくなる特性を発現します。
磁性材開発センターでは、混合組成と熱処理条件を最適化することによって、
磁気特性の改良に取り組んでいます
フェライトの結晶構造と特性の例
-
①X線回折
2 theta(deg.)
-
②磁気特性(B-H曲線)
-
③フェライトの結晶組織
光学顕微鏡写真
20μm
-
SEM写真
10μm